町田心療クリニック

町田市の 心療内科,精神科,カウンセリング 町田心療クリニック

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パニック障害

1. はじめに

パニック障害では、電車内などで突然に動悸や息苦しさ、発汗などを伴ったパニック発作(不安発作)が起こるため、その場から一刻も早く逃げ出したくなります。こうした予期しない発作を繰り返すと、電車に乗るとまた発作に襲われるのではないかと恐くなり、電車を避けるようになります。

発症の背景には、過労、睡眠不足、あるいは対人関係上のストレスなどがあります。また、幼少期に親の死や離別などの外傷的な体験があり、「大切な人を失うのではないか」という不安(分離不安)を持ち続けている人が多いことも知られています。

2. 症状

パニック発作(不安発作)と予期不安がその主な症状です。パニック発作はしばしば広場恐怖を伴います。

パニック発作

パニック発作は、電車やエレベータ、美容院、歯科医院、人ごみの中など特定の状況や場所でよく起こります。また、重要な人物とのけんかや別れをきっかけに、分離不安が高まった結果として、発作が出現することもあります。

発作では、動悸、息苦しさ、発汗、めまいなどの自律神経症状や、死の恐怖、非現実感などが認められます。更に不安が高まると、過呼吸となり、手足の痺れ、脱力、もうろう状態から、意識消失にいたることもあります。

発作が起こると、その場から逃げ出したくなります。例えば、電車内であれば下車したくなります。また、死の恐怖に襲われ、救急車で病院に運ばれるということを繰り返す場合もあります。

予期不安

パニック発作を繰り返すうちに、「また発作が起きるのではないか」と不安にとらわれるようになりますが、これを予期不安といいます。また、「発作が起こって死んでしまうのではないか」「その場から逃げ出せないのではないか」「人前で倒れても、誰も助けてくれないのではないか」「恥をかくのではないか」という強い不安・恐怖に圧倒されるようになります。

広場恐怖

予期不安が強くなると、やがては発作が起こる状況を避けるようになります。例えば、電車やバス、飛行機に乗ったり、美容院、歯科医院に行ったりすることができなくなります。これが広場恐怖ですが、それは広場に対する恐怖というよりも、むしろ「不自由な閉塞的状況から逃げ出せない恐怖」であると考えられます。その結果、同伴者なしに1人で外出することや、公共機関を利用することができなくなり、仕事や日常生活に支障をきたすこともあります。

このように多くのケースでは、激しい不安や恐怖感を訴えます。しかし、回避行動が日常化しているために不安をあまり訴えない場合や、不安を受け入れることができず症状を否認・過小評価する場合もあります。

3. 治療

薬物療法

薬物療法でパニック発作と過呼吸の多くは改善します。一方、予期不安や広場恐怖に対する薬の効果には多少限界もあるようです。

最初に選択されるのは、新しいタイプの抗うつ薬(SSRIなど)です。多くの場合、抗うつ薬だけで治療できますが、効果が不十分なときは抗不安薬を併用します。また、パニック発作が頻発する場合、発作時に抗不安薬を頓服として使用することもあります。

薬の調整には2~3ヶ月かかります。自分にとって効果的な薬を見つけ、必要な量まで漸増していくことで、多くのケースで症状は改善していきます。その後安定した状態が続けば、薬を減らせますし、やがては中止することもできます。あるいは、症状の再発を防ぐために、少量の薬を服用し続けるという選択肢もあります。

精神療法・心理療法(カウンセリング)

対人関係に根ざした不安について理解を深めたい方は、精神療法・心理療法(カウンセリング)が役立ちます。時間をかけて治療に取り組むことが、パニック発作や分離不安に対して効果的であることが知られています。