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パニック障害とは

パニック障害は、予期しないパニック発作(不安発作)が繰り返し起こる精神疾患(不安障害)です。そのため、発作が、また突然に前触れなく起こるのではないかという不安・恐怖(予期不安)から、発作が起こる状況を避けるようになり(回避行動)、社会生活に支障をきたすようになります。
パニック障害は、不安の高い人がなりやすいことが知られています。原因としては、対人関係におけるストレス、過労、睡眠不足などがありますが、なかなか気づきにくいものです。また、幼少期に親からの虐待を受けていたり、親の死や離別と体験するなどの外傷的な体験があり、「大切な人を失うのではないか」という不安(分離不安)を抱えていたりする人が多いことも報告されています。
パニック発作(不安発作)は予期せず起こるため、多くの場合、強い不安と恐怖を覚え、一刻も早くその場から逃げ出したくなります。例えば、電車内などで突然に動悸や息苦しさ、発汗などを伴ったパニック発作(不安発作)を繰り返すと、電車に乗るとまた発作に襲われるのではないかと恐くなり(予期不安)、電車の利用を避けるようになることもあります(回避行動)。
主な症状
パニック障害では、パニック発作(不安発作)と予期不安が中心的な症状です。パニック発作は、多くの場合広場恐怖を伴います。
パニック発作(不安発作)
パニック発作(不安発作)は、電車や映画館、エレベータ、美容院、歯科医院、人ごみの中、就寝時など特定の状況や場所で起こりやすい症状です。また、重要な人物とのけんかや別れをきっかけに、分離不安が高まった結果として発作が起こることもあります。
パニック発作が生じると、動悸、息苦しさ、発汗、吐き気、めまいなどの自律神経症状や、死の恐怖、非現実感などが認められます。発作はふつう10~30分で治まります。しかし、さらに不安が高まると、過呼吸となり、手足のしびれ、脱力、もうろう状態から意識消失に至ることもあります。
パニック発作が起こると、強い不安や緊張を感じ、しばしばその場から逃げ出したくなります。例えば、電車内であれば途中で下車したくなります。また、症状が強く死の恐怖に襲われ、助けを求めて救急車で病院に搬送される場合もあります。
パニック発作が起こったときは、深呼吸する、安全と感じられる場所に移動する、不安時の頓服を服用することで多くのケースでは改善していきます。落ち着いて対処しましょう。
予期不安
パニック発作(不安発作)を繰り返すと、多くの場合、「また発作が起こるのではないか」などと、まだ起きていない状況を想像して、過剰に不安や恐怖を覚えるようになります。そうした状態のことを予期不安といいます。パニック障害、不安障害の代表的な症状です。その結果、発作が起こる可能性のある状況を避けるなど、回避行動を引き起こしたりします。
多くのケースでは、「パニック発作が起こって死んでしまうのではないか」「パニック発作が起こるとその場から逃げ出せないのではないか」「人前で倒れても誰も助けてくれないのではないか」「恥をかくのではないか」という強い不安や恐怖に圧倒されます。
広場恐怖
広場恐怖は、「特定の状況でパニック発作が起きたら、逃げられないのではないか、あるいは助けが得られないのではないか」と強い不安や恐怖を感じる状態のことです。実際には広場そのものへの恐怖というよりも、閉鎖的な状況から逃げ出せない恐怖です。その結果、同伴者なしでの外出や公共機関の利用が難しくなり、多くのケースでは、仕事や日常生活に支障をきたすようになります。
広場恐怖を引き起こす具体的な状況としては、公共交通機関(電車、バスなど)、閉鎖空間(美容院、歯科医院、映画館、エレベータなど)、人ごみ、一人でいることなどがあります。広場恐怖のため予期不安が高まると、こうしたパニック発作の生じる状況を避けるようになります(回避行動)。そして、電車やバス、飛行機に乗ったり、美容院、歯科医院に行ったりすることなどが難しくなります。重篤なケースでは、一人での外出が困難となり、自宅に引きこもりがちとなる場合もあります。
注意点
- 激しい不安や恐怖を訴えることが多いのですが、回避行動が習慣化しているために、不安をほとんど感じなくなっている場合もあります。
- 自分の不安を受け入れることができず、症状を否認・過小評価することもあります。
治療
治療には、薬物療法と心理療法・精神療法(カウンセリング)があります。パニック発作(不安発作)には多くの場合薬物療法が有効です。ただ、背景にある対人関係の問題そのものを薬で解決することはできず、薬物療法には限界があるのも確かです。対人関係の問題について理解を深めたい場合には、心理療法・精神療法(カウンセリング)が役立つでしょう。
パニック発作が起こった時は、あわてず冷静に対処するよう心がけましょう。深呼吸する、安全と感じられる場所に移動する、不安時の頓服を服用することで、多くのケースでは発作症状は改善します。
薬物療法
薬物療法は先ほども触れたように、根本的な治療ではなく、あくまで対症療法です。その限界を理解したうえで用いることが大切です。しかし、パニック障害のパニック発作(不安発作)や不安に基づく不眠などの症状にはかなりの効果が期待できます。薬物療法の第一選択薬は、新しいタイプの抗うつ薬(SSRI、SNRIなど)です。多くの場合、抗うつ薬のみで症状は軽減しますが、効果が不十分なときは抗不安薬を併用することもあります。また、パニック発作が頻発する場合には、発作時に抗不安薬を頓服することもあります。
薬の調整には、個人差もありますが、3ヶ月ほどかかります。自分にとって効果的な薬を見つけ、必要な量まで少しずつ増やしていくことで、多くのケースで、症状は和らいできます。その後、安定した状態が続けば、薬の量を徐々に減らしていったり、時には中止したりすることができる場合もあります。また、症状の再発を防ぐために、少量の薬を服用し続けるという選択肢もあります。薬の調整については、自分で判断しないで、医師と相談しながら進めていかれるとよいでしょう。

精神療法・心理療法(カウンセリング)
対人関係に根ざした不安について理解を深めたい方は、精神療法・心理療法(カウンセリング)が役立ちます。時間をかけて取り組むことが、パニック発作や分離不安に対して効果的であることが報告されています。
