東京都町田市の精神科・心療内科・カウンセリング、町田心療クリニック

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薬について

薬はできるだけ
少ない種類・量で

薬はできるだけ少ない種類・量で

なぜ薬はできるだけ少ない種類と量で飲むのが良いのか、その理由を説明しましょう。

まず、心に留めておいていただきたいことが2つあります。1つめは、心と身体はつながっているということです。不安が高まると、それが様々な気持ちや身体の症状となって現れます。従って、様々な症状に対して複数の薬を飲む必要はなく、根本にある不安自体を和らげるために薬を用いるのです。

2つめは、その薬が効くかどうかは、個人差があるということです。人と薬の間には相性があり、相性の悪い場合には効果はあまり期待できません。効果が不十分であれば、薬の量を増やしても、効果が高まる訳ではありません。また、薬には上限の使用量も定められています。

従って、同じ作用のある薬を、同時に2種類飲み始めると、どちらの薬が効果的なのか判断できません。原則として、大切な軸となる薬は、1種類で服用する必要があります。ただし、いろいろな薬を試してみても効果が不十分な場合には、2種類の薬を併用することもあります。

また、薬の効果には限界があるのも事実です。なぜなら、薬は、症状の軽減には役立ちますが、原因そのものを解決することはできないからです。

こうしたことを理解しておけば、多種類の薬を飲んでも良くならない、という事態を避けることができます。複数の薬を併用する必要がある場合は、医師とよく話し合いながら進めていくことが大切です。

自分にとって
効果的な薬を選ぶ

精神安定剤(向精神薬)には、大切な軸になる薬と補助的に用いる薬の2種類に大きく分けることができます。

軸になる薬としては、抗精神病薬、抗うつ薬、気分安定薬があります。一方、補助的な薬としては、抗不安薬、睡眠薬があります。これらの薬の大まかな効果・特徴については下の表をご参照ください。

分類 薬の種類 効果・特徴
軸になる薬
  • 抗精神病薬
    (統合失調症の薬)
  • 抗うつ薬
    (うつ病や不安・緊張)
  • 気分安定薬
    (躁うつ病)
人によって効果に差があります。複数の薬を試しながら最も相性の良いものを見つけていきます。即効性はなく、効果が出るまで数日~1か月ほどかかります。依存性はありません。
補助的な薬
  • 抗不安薬
    (不安・緊張)
  • 睡眠薬
    (不眠)
効果がある程度予測でき、即効性がありますが、効果の現れ方には個人差もあります。依存性のリスクがありますが、医師の指示に従って安全に使用することができます。

対象となる症状

精神科・心療内科では、病気の種類や症状によって、薬の効果は大きく異なります。

例えば、統合失調症の幻覚や妄想、うつ病(非定型うつ病は除く)、双極性障害などの病気、およびパニック障害の不安発作(パニック発作)と過呼吸、様々な病気で現れる不眠などの症状では、多くの場合薬の効果が期待できます。

統合失調症では抗精神病薬、うつ病では抗うつ薬が、多くの場合効果的です。パニック障害では、不安・緊張を軽減するために抗うつ薬がまず選択されます。抗うつ薬の効果が不十分な場合は、抗不安薬を併用することもあります。また、不眠があれば、睡眠薬ないしはごく少量の抗精神病薬を使用します。

一方で、薬の効果に限界があるのは、対人関係の問題と行動化です。行動化とは、心の中の耐えがたい不安を、悩むことができないため、行動に移すことで解消することです。様々なパーソナリティ障害、非定型うつ病、強迫性障害、摂食障害などで認められる、衝動行為、自傷行為、強迫行為、過食・嘔吐、過眠などが行動化の代表的な症状です。薬の効果には限界もありますが、医師と相談しながら必要に応じて適切に服用しましょう。

薬物療法
統合失調症の幻覚・妄想、双極性障害(うつ病を含む)のうつ症状・躁症状、パニック障害の不安発作、過呼吸、様々な疾患で現れる不眠など。
心理療法・精神療法
対人関係の問題と行動化。例えば、対人緊張、強迫性障害(強迫行為)、摂食障害(過食嘔吐、拒食)、衝動行為(自傷行為含む)、過眠など。

薬は、あらゆる症状に十分な効果が期待できるわけではありません。特に、対人関係の問題や行動化については、限界があるものです。薬を補助的に用いながら、心理療法・精神療法を併用し、時間をかけて自己理解を深めていくことが大切です。

薬の調整には時間がかかる

薬の効果の現れ方には個人差があり、効果が感じられるまでに一定の時間がかかるものです。軸になる薬の多くは、効果が出るまでに1週間ほどかかります。少量から飲み始め、毎週経過を見ながら副作用にも配慮し、症状が改善するまで少しずつ量を増やしていきます。ある程度十分な量まで増やしても効果が不十分であれば、別の薬に変更していきます。

このようにして薬の調整を行えば、多くの場合、必要最小限の種類、量で服用できますが、調整が完了し症状が和らぐまでに約2~3か月かかります。医師と相談しながら焦らずじっくりと治療に取り組むことが大切です。